東京高等裁判所 平成2年(ラ)681号 決定
すなわち、抗告人の提出した入札書の入札価格欄の記載と保証の額欄の記載とを比較対照すれば、抗告人が誤って保証の額欄に入札価額を記載したものであることを看取することは必ずしも困難ではないが、執行官によって実施され、関係者の利害が尖鋭に対立し、迅速確実な処理が特に要請される民事執行法上の不動産売却の手続においては、厳格かつ形式的な処理を原則とすべきであり、殊に、入札書の中核的部分であり、単に数額を記入すれば足りる入札価格欄の記載については右原則を貫徹すべき要請が強いから、前記のように保証の額欄の記載との対比から入札者の真意を推測することが可能な場合であっても、なお入札価格欄の記載をもって入札価額として取り扱うのが相当である。
(丹野 加茂 河合)